イヴァン・ズッコは、6月6日にバーンズリーで地元の人気選手カラム・シンプソンと空位の欧州スーパーミドル級王座をかけて戦う際、リングの中で何が起きるかに強い関心を寄せており、リング外のことはほとんど気にしていない。
当日は約1万5000人の熱狂的な観衆がオークウェル・スタジアムを埋め尽くすと予想され、イベントのチケットはすでに完売間近だが、無敗のイタリア人ズッコは、それでもヨークシャーの街を訪れ、プロモーションと記者会見に出席した。
数百人の
シンプソンファンがザ・ギャリソン・スポーツバーで彼の名前を叫ぶ中、ズッコとマネージャーで時折通訳も務めるクリスチャン・ケルチは、静かな奥の部屋でビリヤードを楽しんでいた。
「わかってるよ」と21勝0敗(18KO)の
ズッコは『ザ・リング・マガジン』に語った。「カラム・シンプソンは短期間で人気者、スターになった。
人気は情熱のために良いものだ。この地域の人々は地元のファイターを応援する。それはとても良いことだ。彼はここまで早く到達できて幸運だ。
イギリスのボクシングはこういうところがいい。他の国ではなかなかこうはいかない。
イギリスのボクシングはこういうところがいい。どの街も地元のファイターを応援する。他の国ではなかなかこうはいかない。
こうしてカラムのファンが俺を見て、知ってくれるのは俺にとって重要なことだ。」と付け加えた。
結局、シンプソンの熱狂的なファンはズッコを友好的に迎え入れ、来月待ち受ける熱気の一端を垣間見る機会となった。また、思いがけず暖かい気候のオークウェル・スタジアムを見学し、背の高いシンプソンの体格を間近で確認することもできた。
ズッコは21連勝を収めており、シンプソン(17勝0敗、12KO)が指摘した通り、試合数よりもKO数が多い。しかし彼は、6月にイングランドへ戻るとき自分が脇役であることを理解している。
だが6月6日、ゴングが鳴ればそんなことは関係ない。29歳のズッコは、シンプソンと自分は非常に良い組み合わせだと考えている。
「俺の意見では、彼はアスリートであり、ボクサーだ。たぶん俺と同じようにハードトレーニングをしている。俺と同じようにボクシングを愛しているし、勝ちたいと思っている」とズッコは語る。
「ボクシングは世界で最も美しいスポーツだ。
対戦相手は2人だが、勝てるのは1人だけ。俺も彼も勝つために全力を尽くす。
俺はカラムをスターとは見ていない。もし試合がイタリアで行われたなら、俺の方が多くの観客がつく。雰囲気は同じだ。立場が逆になるだけで、彼がイングランドから来るのと同じことだ。」と続けた。
シンプソンがこれまで課せられた試練をすべて乗り越えてきたように、ズッコもまた乗り越えてきた。
2021年、ズッコは当時無敗だったルカ・カプアーノをストップしてイタリア王座を獲得し、翌年には紙の上では最大の試練だったクロアチアのマルコ・ニクリッチ(当時28勝1敗)をわずか2ラウンドで粉砕した。
こうした結果は、サウスポーのズッコを「誰も戦いたがらないクラブ」の一員に押し上げたが、彼は元イングランド王者ジャメイン・ブラウンとの実戦的で有用な10ラウンドをこなし、高強度の試合経験を積み、シンプソンの高いパンチ数に備えるため、メキシコでハードなスパーリングキャンプを開始した。
シンプソンにとって理想の試合であると同時に、ズッコが待ち望んできた試合でもある。
「俺の最大の武器は、安定性、プレッシャー、パンチ力だ。テクニックもある。カラムは気をつけるべきだ」と彼は語る。
「もちろん俺も同じだけど、俺のパンチは非常に強力だ。
ボクシングはこういうものだ。一発で試合が変わる。だから彼は集中し続ける必要があるし、大勢の観客がプレッシャーをかける可能性もある。
これは俺が世界で何ができるかを試す大きなチャンスだ。
だから6月6日、最高の状態、最高のコンディションでここに来るつもりだ。そしてそれを実現する。」とズッコは締めくくった。